福島県の沿岸部にある浪江町には「なみえ焼きそば」という全国クラスの知名度を持つご当地グルメがあります。
もちもちとした太麺、麺と同量のモヤシを濃厚なソースで炒めているのが特徴的で近年、全国にファンを増やしているとのこと。
また、その美味しさが評価され、なんと2013年の第8回B-1グランプリでは優勝を飾っています。
※B-1グランプリとは、日本一のB級グルメを決める大会のこと
今回はそんな浪江町民のソウルフードである、なみえ焼きそばのレシピ・特徴・歴史・おすすめ店舗について詳しくご紹介します。
なみえ焼きそばの特徴・味とは
まずは、なみえ焼きそばの特徴・味についてご紹介します。
一般的な、なみえ焼きそばの特徴は以下の6点。ただし、例外はもちろんあります。
2.濃厚なこってりソース
3.具材は豚バラとモヤシのみ
4.麺と同じくらいのモヤシを使用
5.浪江焼麺太国の検麺(認定)を受けたお店でのみ食べられる
6.「馬九行九(うまくいく)なみえ焼そば」のお皿で提供
一時は「なみえ焼きそば」を謳う偽物が横行していました。しかし、現在では、なみえ焼そばの普及を目的として設立された浪江焼麺太国(なみえやきそばたいこく)という団体が公認した店舗のみで食べることができます。また「なみえ焼きそば」という名称は地域団体商標に登録されています。
※閉店している可能性もあるので行く前に店舗にお問い合わせください | |
・フードテラスかなで(0240-23-7121) | ・杉乃家(0243-34-4169) |
・お食事処さくら亭(0244-26-5100) | ・井戸川商店(0240-34-3617) |
・いこいの村なみえ(0240-34-6161) | ・お食事処 五葉松(0240-34-4248) |
・お好み焼き ぽんぽこ(0240-35-0053) | ・ゆるりと菜 村さ来(0240-34-7005) |
実際に浪江町に行って、なみえ焼きそばを食べてきました。行ったお店は、道の駅やよいの中にあるレストラン「フードテラスかなで」です。
フードテラスかなでの店内。
極太麺を使い、モヤシと豚肉しか具材を使っていないのが特徴。値段も650円と安いのが嬉しい。
極太麺に濃厚なソースがよく絡んで美味しい。味が濃いのでビールのアテにも合うし、ソースが甘めなので、きっと子供も大好きな味ですね。このくらいの太麺なので麺は少し柔めでした。
豚バラ肉も大きくてジューシーでした!
ちなみに、なみえ焼きそばの目印である「馬九行九(うまくいく)お皿」には、開運成就を意味する伝説の九頭の馬が描かれています。ぜひ食べる機会があれば見てみましょう。
もし本場のなみえ焼きそばを自宅で味わいたければ、浪江焼麺太国が公認した以下の商品が忠実に味を再現していました。
もちろん私も通販で購入しました。
なみえ焼きそばの歴史
B級グルメとして有名になった、なみえ焼きそばですが、実は60年以上前から浪江町で愛されていたグルメなんです。
60年前の浪江町の産業は農業・漁業・林業などの第一次産業が占めていました。どれも体を使う仕事だったので、お腹の腹持ちがよいことが第一条件で、かつ美味しく、安い食材で作れるという条件を満たして誕生したのが「なみえ焼きそば」です。
1955年(昭和30年)に浪江町にあった「縄のれん」という店が、極太の麺を使用した焼きそばを提供し始めたのが発祥。当時は「なみえ焼きそば」という名称はなかったそうです。
その後、2011年の東日本大震災でほとんどの店が被災し閉店した。しかし、同年7月に「杉乃家」という店が二本松で復活したのを機に、再度なみえ焼きそばを提供する店が増えてきました。
また、なみえ焼きそばを日本中に知ってもらいたいという願望から、2008年11月に立ち上がった団体が「浪江焼麺太国」です。なみえ焼きそばを提供するお店の認定や、物産展の開催などの広報活動を主にしています。
大きな活動として、日本一のB級グルメを決める大会・B−1グランプリへの参加があげられます。初参加の2011年、2回目の2012年は2年連続で4位でした。
その後、ついに2013年には念願のグランプリ(優勝)を獲得し、今や全国区の知名度を誇るご当地グルメにまで成長しました。
なみえ焼きそば巡りをする際の注意点
浪江町内にはなみえ焼きそばを提供しているお店がいくつか営業しています。その際に注意すべき点をご紹介します。実際に私が焼きそば屋巡りをして気づいた点です。
車で行く
なみえ焼きそばを提供するお店はいろんな場所に点在しています。タクシーで行くのもいいですが、できるなら郡山あたりでレンタカーを借りて、ドライブがてらに行かれることをおすすめします。郡山から浪江町まで約1時間半で着きます。
市内観光を挟む
ずっと焼きそばを食べ続けていたら胃がもたれてきます。実は浪江町近辺には観光スポットがいくつかあります。後述で観光スポットをご紹介しているので、観光を挟んで胃を休めましょう。
七味をかける
辛さがほしい人は七味をかけて食べるのが浪江流の食べ方です。
なみえ焼きそばのレシピ
ここでは自宅で作れる本場と同じなみえ焼きそばのレシピをご紹介します。
用意する材料
まずは下記の材料を用意しましょう。
・豚バラ肉・・・100g
・もやし・・・麺と同量
・焼きそばソース(甘めがよい)・・・大さじ4杯
・ラード・・・10g
・七味または一味・・・適量
極太麺はなかなかスーパーでは売っていないのがネック。しかし、ネットでお取り寄せできる清川製麺所では唯一、焼きそば用の極太麺を扱っています。市販の中では一番、なみえ焼そばの麺に適していました。
なみえ焼きそばのレシピ
1. フライパンにラードをひき、豚バラ肉を炒めます。
2. 豚バラ肉の色が変わったら、もやしを入れて炒めます。
3. 焼きそば麺をほぐしながら入れて、さらに炒めます。
4. 麺がやんわりしたら、最後に焼きそばソースを入れて全体を混ぜ合わせたら完成です。
5. お好みで七味または一味を振りかけてもOK。
本来はもやしと豚肉だけですが、自宅で作る場合はお好み具材を入れてもOK!
なみえ焼きそばのおすすめ通販
作るのが手間な場合は...
以下の旭屋のなみえ焼きそばなら本場の味を自宅で味わえることができます。また浪江焼麺太国公認の商品なので味は保証されています。
麺・ソース・ラード・七味がセットになっています。あとは自分で豚バラ肉とモヤシを用意するだけ。
完成品はこちら。豚肉は厚めがおすすめ。甘めのソースがウマいです。
ほぼ、うどんのような太麺。極太麺はなかなか売っていないので、インスタントだと楽ですよね。
なみえ焼きそばのウマい店3選
こちらでは福島県内でおすすめのお店を3店舗ご紹介します。3店舗とも私の大好きなお店です。
【浪江町】フードテラスかなで
こちらは2020年8月1日にオープンした道の駅なみえ内にあるお店。なみえ焼きそば以外にも海鮮丼やシラス丼も食べられます。
甘辛いソースが麺に絡まり、混然一体となったウマさ。
この道の駅の名物はなみえ焼きそばパンだそうです。
●店舗情報
店名:フードテラスかなで
住所:福島県双葉郡浪江町大字幾世橋字知命寺60
電話番号: 0240-23-7121
営業時間:11:00~18:30(ラストオーダー18:00)
定休日:水曜日
行き方:JR浪江駅から徒歩15分
その他:海鮮系のメニューも豊富
※店舗情報は変更される可能性があるので、詳しくは店舗にお問い合わせください
【二本松】杉乃家
古くからなみえ焼きそばを提供する老舗のお店。2011年の東日本大震災がきっかけで浪江町から福島県二本松市に移転しました。
ある程度食べたら、こちらの名物「ニンニク七味」を加えて味変させるのもおすすめ。
●店舗情報
店名:杉乃家
住所:福島県二本松市本町2-3-1 市民交流センター1F
電話番号: 0243-34-4169
営業時間:
・ランチ:11:00~15:00
・ディナー:17:00~20:00
定休日:日曜日、火曜日
行き方:JR二本松駅から徒歩2分
その他:カツ丼など他のメニューも豊富
※店舗情報は変更される可能性があるので、詳しくは店舗にお問い合わせください
【南相馬】お食事処 さくら亭
こちらは道の駅 南相馬内にあるお店。なみえ焼きそば以外にもラーメンや定食も食べられます。
シンプルな見た目。しかし、食べてみると柔めのモチモチ麺がハマります。
●店舗情報
店名:お食事処 さくら亭
住所:福島県南相馬市原町区高見町2-30-1 道の駅 南相馬
電話番号:0244-26-5100
営業時間:11:00~15:30(ラストオーダー15:00)
定休日:年中無休
行き方:JR原ノ町駅から徒歩18分
その他:豚丼や定食も美味しい
※店舗情報は変更される可能性があるので、詳しくは店舗にお問い合わせください
浪江町周辺の観光スポット
最後に焼きそば巡りの合間に巡れる観光スポットをまとめました。
東日本大震災・原子力災害伝承館
東日本大震災による原子力災害を後世に伝えることを目的とした博物館。2020年9月20日にオープンしました。地上3階建てで結構立派な建物です。語り部による講話などもあって、見て回るだけで1時間以上かかりました。
請戸小学校 跡地
東日本大震災の伝承のため震災遺構として保存されていくことが決まった請戸小学校の校舎。2021年以降に一般公開予定です。校舎を眺めるだけで津波の脅威を感じることができます。
東京電力廃炉資料館
東日本大震災によって起きた原子力事故の真実と廃炉事業の現状などを解説した資料館。大型モニターがあるシアターホールで事故の流れを観たり、事故に関する展示物を見学できます。
まとめ
今回は2013年B-1グランプリ王者の「なみえ焼きそば」についてご紹介しました。
ぜひ浪江町を訪れた際は、今回紹介したおすすめのお店を巡って味の違いを楽しんでください。
以上、「浪江町の名物なみえ焼きそばのレシピ・特徴とは」でした!